すべてのことをおろそかにしない、優れた会社です

㈱セノオ 代表取締役社長

妹尾 勝善 様

  • 重電企業のよきパートナーとして

  • 当社は一般の人にはあまりなじみがありませんが、主に重電企業向け絶縁紙の加工、制御盤等の設計・組立、板金・製缶加工を三本柱とする会社です。創業は平成二年で、翌々年、創業者である現会長が絶縁紙の曲げ加工機を開発して、発注先の日新電機様との取引が一気に拡大し、事業基盤を確立できました。当社の曲げ加工の特長は、厚さ5ミリまでの乾いた板紙をほぼ直角に、しわ・ひび・割れなく曲げることです。この絶縁紙は、変電所の大きなコンデンサやトランスの中で機能します。機械化で安定した品質と効率化、コストダウンを実現でき、のちに㈱東芝様の三重工場との取引の糸口にもなりました。
  • ただ、部材だけでは、景気の動向によって受注量を左右されるリスクがあり、平成十五年より新たに始めたのが、制御盤の設計・組立です。当初、組立以外の塗装と板金は外注任せでしたが、コストと納期を考えて内製化を決心し、平成二十一年、野口さんに第三工場を建ててもらい、板金業に進出しました。その際、東芝様の三重工場長から、「うちの収納盤もやってほしい」と高さ三メートルの収納盤の板金を依頼され、工場の全高を十メートルにしました。
  • 私としては、同じ板金をやるのなら、東芝製品も最終的な組立まで受注したいと思い、その受け皿となる組立工場建設を決断します。それが野口さんにお願いして平成二十五年に完成した現本社工場で、全高はやはり十メートルです。
  • これによって設計から品質チェックまでワンストップでできる体制ができ、東芝様から太陽光発電設備向け変圧器保護装置の仕事もいただきました。
  • 製造業の完成型

  • 野口さんは、一言で言えば、「すべてのことをおろそかにしない会社」です。製造会社では一般に、納期と価格を優先すれば品質がおろそかになるなど、それぞれはトレードオフ(二律背反)の関係になりがちですが、野口さんの仕事ぶりは、そのどれもおろそかにされません。製造業としては完成型の会社といってよいでしょう。
  • 感心するのは引き出しの豊富さです。こちらの値下げの要望に、「ここはこう変えましょう」「材料はこちらを使いましょう」と品質に配慮しつつ、納得できる代案を提示される。しかも、ビジョンなど当社が大事にしているものを共有化しようとする姿勢が、現場や営業に浸透していて、地鎮祭の前に私が信仰する神社の大阪分祠まで同行して打合せしてくださったほか、私の希望する日に竣工していただきました。それには頭が下がります。
  • また、第三工場の竣工直後、「いずれ組立用の工場を建てたい」と何気なく夢を語っただけなのに、営業の方が覚えていて、「あの件どうなりました?」と足しげく、それも私の心が動いているときに顔を出される(笑)。そうやって夢を共有化し、補助金の情報などきめ細かくフォローしてもらえたことで、本社工場の実現に漕ぎ着けられました。おかげで、両工場とも使い勝手がよく、常にフル稼働。「野口さんから福をいただいた」と喜んでいます。
  • 当社もすべてをおろそかにしない姿勢を大事にし、重電企業のよきパートナーとしてさらなる成長を目指していきます。